翡翠に魅せられ石の海

鉱石収集と小旅行、雑多な趣味の備忘録っぽいブログです。

【第1回】糸魚川で翡翠(ヒスイ)採集した話①

はじめまして、刺宮(シミヤ)と申します。

今回から鉱物採集の話を記事にしていくわけですが、初回は【糸魚川翡翠(ヒスイ)採集した話①】となります。

 

まず、翡翠(ヒスイ)ってなんやねん、という方のためにざっくり申し上げますと、日本の国石であり、宝石の一種として古代から珍重される鉱物のことです。

例としては、透き通った緑色の勾玉をイメージして頂くと解りやすいかと思います。あのタイプの勾玉の素材は翡翠であることが多いです。

詳しい話は別の機会に記事を書かせていただきますが、すぐに知りたい方は「フォッサマグナミュージアム ヒスイ」でググって頂けると、世界で一番わかりやすい解説を読めるのでオススメです。

 

さて、そもそも糸魚川ってどこだよ、と思った方もいることかと思いますので、こちらも簡単に説明致しましょう。

新潟県のほぼ最西端、富山県との県境付近にあるのが糸魚川市です。

ここ糸魚川地域は、日本でほぼ唯一、宝石品質の翡翠が産出される場所として有名で、その供給源は海から川を遡った山に存在すると考えられています。

実際、河川上流部には巨大な翡翠原石がごろごろ転がる翡翠峡があり、山から川を伝って海まで運ばれた翡翠が、波によって海岸に打ち上げられているということのようです。

前置きが長くなりましたが、早速到着致しましたのは、こちら『ヒスイ海岸』。


要するに翡翠が漂着する海岸なのですが、観光資源として全面に押し出している感じがとても良いですね。

看板の織姫っぽい女の子と、ツートンカラーのゆるキャラはそれぞれ意味のある存在なのですが、ここでは割愛します。

これがヒスイ海岸です。

まず目立つのは浜を埋め尽くす石。石。石。

そうなんです。その日の海の状況にもよりますが、実はここ糸魚川の海岸は、このサイズの石がゴロゴロ流れつく特殊な海岸なのです。

それでは早速、翡翠採集開始ィィィ!!!!!

 

と、ここまでが大抵の『海岸で翡翠って宝石が取れるらしいから行ってみっかな!』ぐらいのテンションで来た観光客にありがちなパターンです。

そんな彼らは意気揚々と浜辺に降り、最初にこう思うことでしょう。

 

それで、どれが翡翠

 

先程も言いましたが、糸魚川はその地理的要因から、海岸に多種多様な鉱物が漂着します。翡翠も当然その内の一つなわけですが、ここで重要なのは【翡翠が出来る環境下では翡翠っぽい見た目の別の鉱物も出来る】という事実です。

この【翡翠っぽい別の鉱物】のことを、糸魚川では総じて"きつね石"と呼称することがあります。正確な出典は不明ですが、『翡翠だと思って拾ったら、全然違う石だった。狐に化かされたみたいだぜ。』的なニュアンスで出来た言葉のようです。

 

この通称"きつね石"と本物の翡翠をどう見分けるかが、翡翠採集においての最大の関門と言っても過言ではありません。

さて、今回が初の翡翠採集である私でしたが、到着から1時間ほどかけて石を拾いました。それがこちらです。

 


初心者ゆえ、「面白そうな石は拾っておこう」と考えていたので、明らかに翡翠じゃない石もありますが、真ん中から左のいくつかは翡翠らしい緑色を意識して拾っていました。

それからさらに1時間ほどかけて、最終的にこれだけの石を拾うことができました。

さて、それではこの皿の中に翡翠はいくつあったでしょう?

 

答えは、0個です。

この中に翡翠は存在しません。

ある程度、翡翠採集に慣れた方であれば正直なところ鼻で嗤うようなお粗末な採集結果ですが、この時点で私は「まあ一つ、二つぐらいは翡翠やろな!」と無邪気に考えていました。

そして、あの事件が起きてしまうのです。

あの忌まわしき【フォッサマグナミュージアム鑑定事件】が……。

 

次回、【糸魚川翡翠(ヒスイ)採集した話②】に続きます。

 

さて、記念すべき初回記事を読んでいただき、ありがとうごさいました。

今後とも可能な限り記事を書いていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。